恋人はサンタクロース


背の高いサンタクロース














「この時期になるとソレ歌ってるな、キョーコは」



「そうね。フフ、でも私の前にはもう背の高いサンタさんはいないけど…」





そう楠田さんに言った私の携帯には幸せそうに微笑んだ私と
サンタの格好をして 少し恥ずかしげなあの人との写真が今だに残っていて
あの時、あなたは 私の何とも恥ずかしいお願いを、なんだかんだ言いつつも叶えてくれて、
照れく さそうにしてサンタの姿になってくれた。





メルヘン好きな私はそんなあなたに凄くときめいていたのを知らなかったでしょ うね。




「こんな格好いいサンタさんなんて居ないわ」

「それは褒め言葉と受けていいのかな、お嬢様?」

「もちろんよ。サンタさん」



背に腕を回して抱きついた私をあなたは強く、強く、抱き締めてくれた






「愛してる」





世界でたった一人。


私だけのサンタクロースさん




いつか、また、 迎えに来て欲しい















「・・・・・・・・い、おーい、キョーコ」


「えっ、何ですか楠田さ……ってえぇ!どうしたの楠田さんっ」



どうやら私は思い出にだいぶ浸っていたようで







そんな私の前には













もうひとりの サンタクロースさん。






恋人はサンタクロース・・・だった

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