「・・・・で、どうしてあの人私にキスなんかしてきたんですかねぇ?」 私の前には、正座したいい大人の男が2人。 その表情は、よほど私が般若のような表情をしているのだろう顔色がすこぶる悪い。 「言い訳してもいいんですよ・・・・私も大人ですからね」 「・・・・本当に大人ならこんなことさせるかよ・・・」 「・・ちょっ・・・楠田さん聞こえちゃうって・・・」 「はっ?何か聞こえたんですけど?」 その瞬間、見事にロッカーの扉が凹んだのを見た男2人。 その顔からは、ますます血の気が引いて・・・。 「「も、申し訳ございません女王様!!!」」 「まったく、これだから男は・・・。教育が必要なのかしら。」 「・・・・・・・(俺達、キョーコに調教されるのか?)」 「・・・・・・・・(楠田さんが悪いんですよ。それに・・その表現は厭らしいです)」 「乙女の唇を何だと思っているのかしら。」 そんなやりとりの後、何故キスされたのかという説明が楠田により説明されたのだが 「あいつ欲求不満みたいで怒りっぽいんだよな」 「・・・・は?」 「だから、一発頼むぜ?蓮?」 「・・・というわけだ。親切なマネージャーを持って幸せだなぁ。久々に良かったんじゃないのか?」 「く、楠田さんっ、こ、こ、これ以上はセクハラですよぉ・・・・!!!」 馬鹿正直にやり取りを説明した楠田裕二、自称、30代の脂の乗ったイイ男。 先輩想いの後輩の気遣いなど気づかずに、 もちろんそのあと、彼女の怒りが爆発したことは言うまでもない 「ふふふふふふ・・・・・・言いたいことはそれだけなのかしら?」 「や、やめろぉ〜〜〜〜!!」 そして、そんな先輩を持ってしまった哀れな後輩である彼もまた 「楠田さんの馬鹿やろ〜〜〜〜〜!!!」 巻き込まれたのは言うまでもないだろう。 FIN |