某テレビ局某控室では、不穏な空気が流れていた
そこにいるのは見目麗しい男が5人、彼らはなぜか一つのテーブルを囲うように立っており
その視線は4つの箱に向かっていた




4つの箱はどれもサイズがバラバラで、包装紙やリボンの色まで違っている
そう、皆さんも分かったと思うが、彼らはこの4つの箱を巡って醜い争いをしていたのである
すると4人の中で一番年上なのであろう男が一番大きな箱を手に取り
ニヤリと口角をあげて微笑んだ



「やはりここは年功序列なんじゃないか?一番年上である俺を立てて
この箱は俺が貰うからな?やっぱマネージャーで頼りになる俺が一番なんだろうなお姫様は」



その様子は、仕事の出来る男の見る影も無いほどヤバい顔になっていることに気づかない彼の名は、楠田祐二
自称 脂の乗っているイイ男である。



「は?おっさんが何言ってるんだよ。その顔やばいぜ?キモい」



そんな彼を「キモい」と告げた正直な男の名は、不破尚アカトキの稼ぎ頭である。



「まぁまぁ、不破君も楠田さんも抑えて。さもないと・・・2人の携帯クラッシュさせるよ?」
そう言いながらマイ手袋を外し、2人の携帯に触れようとするのは、今ではすっかり業界にまで知れ渡っている
「クラッシャー」社倖一、LMEに所属する敦賀蓮の敏腕マネージャーだ。

「「わ、わかったからやめてくれっ(下さいっ)」」



「分かってもらえればいいんだ。・・・・さて、蓮。お前珍しく静かじゃないか?」


「・・・・貴方達が騒がしいだけじゃないですか?」


「「なっ!!!!」」


「だいたい、いつまでもこんなことしてても仕方ないじゃないですか?
だったら、最初から本人に聞けばいいんだと思うんだけどね・・・・





君もそう思わない?キョーコ?」






いつから居たのか、扉のところには原因の一端でもある彼女がおり、その彼女の腰には
しっかりと蓮の腕が抱き寄せるかのように回されていたのである。




「・・・そうね。でも、面白かったわ、醜く言い合わそう様が。
男の人って・・・いろいろと・・・大変なのね。」



そう言って、赤いルージュに濡れた唇の口角を上がると
蓮の腕から離し、高いヒールを鳴らして彼らの元に近づいて
箱をそれぞれに手渡ししていく。





「この大きな箱は楠田さんに。その隣にある箱は社さん。で、その黄色のリボンのがアンタのよ松太郎。」

「松太郎って言うんじゃねぇ!!だいたい、なんでおっさんのが大きいんだよっ」


「それは愛情の大きさ・・「違います」・・だよな。」


「楠田さんはね、こう見えてよく食べるの。大食いなのよ」


「「「なるほど」」」


「社さんには、なんかお決まりですがネクタイにしました。合えばいいんだけど・・・」


「キョーコちゃん有難う・・・大切に使わせてもらうよ。」


「喜んでいただければ。松太郎には匿名希望様からご依頼の英会話の本よ。」


「・・・・・・・」


「嬉しすぎて何も言えないのね。ふふ、あんたも可愛いところがあるじゃないの」




「いらねぇ〜〜〜〜!!!」











さてさて、とにもかくにも無事渡されたバレンタインデーのプレゼント達。
そして残された最後のプレゼントの中身は・・・・・・。


「で、俺のは?キョーコ?」

「蓮へのプレゼントはね・・・・・ペアリングとチョコレート。私達あんまりお揃いのものないから。」

「有難うキョーコ。でも、甘いチョコより君の方が良かったな。
まぁいいさ、それは今夜にでも。ホワイトデーのお返しは・・・・いや、まだ内緒にしておくよ。」


「楽しみにしてるわ・・・」


そうして2人の唇は重なりあい・・・・








結局は2人のアツアツぶりを見せられるハメになった彼ら。
約一名を除いて、それなりに満足してはいるが、予想通りの展開に
溜息が出るのであった。








Be My Valentine


(全部君だった番外編 / スキップ・ビート!)
2010年バレンタイン ギャグ?