社が蓮を迎えにマンションへ行くと、なんと蓮は女を連れて出て来た。 その女の顔は、社も何度か見た事がある顔だった。 なぜこんな風になってしまったのだろうか? 社には最早、蓮の考えて居る事がわからなかった。 自分が注意しても、社長である宝田に注意されても 蓮の火遊びは悪くなっていく一方だ。 社には蓮のその行動が自分を追い詰めているようにしか思えない。 仕事はきちんとしている。 しかしプライベートが問題なのだ。 蓮のように名前を知られている者には、 プライベートだろうとやはり俳優、敦賀蓮のイメージが つねについてくる。そのことは蓮が1番知っているはずなのだ。 最近では、業界でも敦賀蓮の火遊びはちょっとした話題となっている。 蓮に聞けば、つい先日週刊誌にスッパ抜かれた女性とも寝た事があるらしい。 しかし名前は覚えていないと悪びれることなく言ったのだ。 「蓮、その子のことは知らないぞ。」 「紹介してませんでした?」 「・・・・蓮、そんなことを言っているんじゃない。お前分かっているのか・・?」 「何がです。」 社の中での限度が越えた。 「お前っ・・・!」 「はい、ストーップ!社君v」 掴みかかろうとした社を制止する声が背後から降ってくる。 その声に、社は冷静さをなんとか取り戻し後ろを振り返った。 そこに居たのは、社の先輩であり、蓮の元彼女、キョーコのマネージャ である楠田祐二その人だった。 楠田の登場に蓮も驚きを隠せずに居た。 蓮は、テレビを見る事をあまりしない。その為に知らなかったのだろう。 キョーコが帰国したことも、会見のことも。 「楠田さん・・・・なぜ。」 楠田は、優男風の笑みを浮かべ軽い調子で告げた。 「可愛い後輩と、可愛いお姫様の為に・・・ちょっと君に聞きたい事があるんだ。」 |