全部、君だった
・・・21.響いたのは、或いは別れを告げた音






それは長い、長い、夢を見た。
それは、もう過ぎ去ってしまった懐かしくて、今でも切ない夢。
もう、どんなに望み手を伸ばしても届きはしない愛しい人の・・・夢。






「キョ−コ?」


「なに・・・蓮?」


「愛してるよ・・」


「・・・・分かってる。」






なぜ今になってこんな夢を見せたのか。
なぜ今になってこんな夢を見ているのか。





分からない。
分からない。




でも、夢の中の君は、あの頃と同じように俺に微笑むんだな。








「ねぇ・・・蓮。私がいなくなったら・・・どうする?」






けど、そう言った君はとても悲しげで。





「キョ−コ・・・?」








「ごめんなさい・・・蓮。さようなら。」







そういって俺の目の前から君は消え



目覚めた俺の頬には涙が伝っていた。






「・・・・キョ・・・コ?」





そして   "長い一日が始まる着信音が・・・・"